2022.01.27
この記事と動画の連動コンテンツは、これからボカロをはじめてみたい、VOCALOIDに興味があるというみなさんに、VOCALOIDの楽しさを体験してもらえるように作りました。
第3回では「かえるの合唱」ならではとも言える「輪唱(りんしょう)」の作成、そして、メインのメロディ(主旋律)と異なる音の高さで歌ってハーモニーをつくる「ハモり」パートの作成を体験していただくことができます。
VOCALOID5 無料体験版のダウンロードはこちらから
また、Windows/macごとにダウンロードしてからVOCALOID5の起動までの手順はこちらの記事にまとめております。
インストールがまだお済みでない場合は、まずこちらの記事をご参照ください。
インストール手順(Windows) インストール手順(mac)
音楽制作ソフトウェアではひとつの音、ひとつの楽器をトラックとして扱います。
輪唱のために第2回目で作成したトラックとは異なるトラックを作成して作業を進めましょう。
上部の[編集]メニューから[VOCALOIDトラック作成]を選択します。
混同しないようにトラックに名前をつけましょう。
[トラック名]をダブルクリックすることで自由に名前をつけることができます。メインのトラックを[メイン]、これから輪唱を作成するトラックを[輪唱]としました。日本語に対応していますのでわかりやすい名前をつけましょう。
VOCALOIDは一般的なソフトウェアと同様にコピー・ペーストを使ってデータを複製できます。
輪唱は、メインメロディと同じメロディを遅れて歌う歌い方ですので、コピー・ペーストして複製したVOCALOIDデータから輪唱を作ることができます。
まずは入力してあるメインパートのデータをコピーします。
入力してあるデータ(パート)を選択し、上部の[編集]メニューから[コピー]を選択します。
続いて[停止]ボタンを押してカーソルを曲の先頭に戻して、[輪唱]のトラックを選択します。
トラックの選択はトラック名の部分、もしくはトラック名周囲の何もボタンがないグレーの部分をクリックすることで選択できます。
選択されると選択したトラックが明るいグレーになります。
この状態で、上部メニューの[編集]から[貼り付け]を選択しましょう。
これで[輪唱]のトラックにデータが複製されました。
メインのメロディから2小節遅れて歌う輪唱を作ってみましょう。
[輪唱]トラックの複製されたデータを選択したまま、うしろに2小節ずらしてください。[輪唱]のトラックのデータは3小節目、上の数字が書かれた部分で3のところから始まるようになります。
再生してみましょう。輪唱になったのではないでしょうか。
同じ要領でもうひとつ輪唱を作ってみましょう。
2本目の輪唱はメインのメロディから4小節遅く始まるようにします。以下の画像を参考に配置してみてください。
トラックの縦幅を調整したい場合は、トラック右端の+/-ボタンで縦幅を調整することができます。
このように、コピー・ペーストによる複製で次々とメロディを入力していくことができます。
輪唱を作ることができましたが、ハモりも同様にコピー&ペーストによる複製を用いて作っていくことができます。
輪唱と同様にトラックを作成し、データをコピー・ペーストしてください。
ハモり用のトラックには[ハモり]という名前をつけました。トラックの縦幅は見やすいように調整しています。
複製されたデータをダブルクリックして[MUSICAL EDITOR]を開きましょう。開いたら、上部[編集]メニューから[全てを選択]をクリックします。
するとVOCALOIDのデータが全て選択された状態になります。
[MUSICAL EDITOR]に表示されているデータがすべて濃い水色になっていることを確認してください。
この状態で最初の[ド]の音をクリックし、クリックしたまま[ミ]の高さまで上にスライドさせましょう。
すると、入力されていたデータがすべて上に移動しました。音楽で言うところの半音4つ分上に移動したことになります。
再生してみましょう。ハモりはできましたが、ところどころで少し気持ち悪い音になっていますね。
曲で使う音の高さにはルールがあり、これを調(スケール)と呼んでいます。
気持ち悪い音になってしまったのは、「かえるの合唱」の調である「ハ長調(Cメジャースケール)」で使わない音が入ってしまったためです。
調に関する細かいルールはあまり気にせず、「かえるの合唱」で使わない音を移動させることで良い響きに修正してみましょう。
音の高さを変える必要がある箇所は3箇所あり、まずは[ファ#]の音を移動します。
カーソルを横に引っ張ってすべての[ファ#]の音を選択しましょう。
※[ファ#]の音の歌詞が「レ」なのでややこしくなっています。間違えないようにしましょう。
選択された状態で、[ファ#]の音をひとつ下げて[ファ]に移動します。
同様に、[ソ#(歌詞は「ミ」)]の音を[ソ]にひとつ下げてください。
さらに、一番高い[ド#(歌詞は「ラ」)]の音を[ド]に下げてください。
完成すると以下のようなデータになります。同じようになっているか確認できたら再生してみましょう。
いかがでしょうか。見事綺麗なハーモニーが聞こえてきたのではないかと思います。
このように、メインのメロディを作ってしまえばかんたんにハーモニーが作れるのもVOCALOIDによる打ち込みの特徴です。
最後に、ハモりの位置を移動してみましょう。メイン、輪唱1、輪唱2とありますが、輪唱2のトラックにハモりがつくようにしてみます。こうすることで少し盛り上がって聞こえるのではないでしょうか。
トラックで作成したハモりの部分を選択して、輪唱2のトラックに位置を合わせましょう。
できたら再生してみてください。
次第に盛り上がっていく「かえるの合唱」が、完成しました!
VOCALOIDで歌を打ち込んでいくことを体験していただきましたが、いかがだったでしょうか。
「ボカロP」とはボーカロイドプロデューサーのこと。「かえるの合唱」を見事作成できたあなたも立派なボカロPです。
「かえるの合唱」を題材にしましたが、J-POPやボカロ曲で人気を曲のカラオケ(オフボーカル)データにあわせてVOCALOIDを歌わせることももちろん可能です。
第4回目では、オフボ音源に合わせた歌を入力する「VOCALOIDに歌わせてみた編」のコンテンツも用意しています。