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40mP feat. ギャラ子 / Warning! 配信記念インタビュー(後編)

40mPさんの音の秘密は「物持ちの良さ」にあった!? - 制作環境と楽曲制作について

■意外とシンプル。制作環境について

制作環境はどのような感じでしょうか?

あのー、めちゃめちゃシンプルで、Windows使ってるんですけど。デスクトップPCがあって、オーディオインターフェイスがあって、基本的にそれにマイクとかギターを突っ込んで。

ギターはご自分で弾かれている曲と、ほかの方が弾いている曲とありますよね。

そうですね。でも基本的に99%ギタリストの方にお願いするようになっちゃいましたね。自分で弾く時はインターフェイスにラインで流し込む感じです。

DAWはなにを使っていますか?

Cubaseの7を使っています。

Cubaseをお使いということは、エディターはボカキューですか?

いえ、VOCALOID3 Editorです。なかなかアップグレードするのがいつも遅くて。慣れた環境のほうがいいので。ボカキューって使ったことがないんです。存在は知ってたんですけど。

今お持ちの歌声ライブラリはなにがありますか?

ミクの一番最初のやつとアペンドと、GUMIの最初のやつとExtend。あと、IAも最初のやつと。もっているのはいろいろあるとおもうんですけど、使っているのはその辺です。

ミクは新しいヴァージョンのものもでていますが、V2のほうがよいですか?それとも慣れたから使っている感じですか?

ほんとそれですね。基本的に慣れたものばっかりで。物持ちがいいので(笑)。

機材も使い慣れたものがよいタイプですか?

ええ。使い慣れたものでどうやるか。物に貪欲になったほうがいいなあとは思うんですけど。めちゃめちゃ物持ちがいいんです(笑)。

ドラムパートはどうされていますか?

曲によりけりなんですけど、スタジオに入ってバンドで録るときとかは当然ドラマーの方に叩いてもらっています。自分で打ち込むときと半々くらいですね。ドラムを打ち込むときは指ドラムで。

■サビの歌メロですべてが決まる!楽曲の制作方法について。

1曲作るときに、いつもどのような工程で作られますか?

まちまちなんですけど、まず一番最初はサビの一番気になるフレーズのメロディーと歌詞をいいのが出るまでひたすら鍵盤ひいたり、ギター弾いたりしながら構想を練って、これだ!っていうのが出てきたら、それを軸にしてまず全体のメロディーを組み立てて。そこに歌詞をあてはめていって、フルコーラスつくって、DAWに向かってアレンジをすすめていくという形です。

サビの歌メロを最初に作る感じですか?

そうですね、サビの歌メロが最初にできてからですね。

ちなみに、歌詞は先ですか?後ですか?

歌詞は後のことのほうが多いです。基本は後ですね、自分は。

歌詞はほとんどご自分で書かれていますが、どこからインスピレーションを得ているのでしょうか。先にテーマを考えたりしますか?

依頼された案件で「こういう曲」って決まっている時にはそのテーマに沿ってキーワードを連想しながらとか、口ずさみながら、鍵盤にむかっていいフレーズがでてくるまでやるんですけど。自分発信というか自主的に作る曲に関しては、メロディーが出てきたときに歌詞が乗っかっていることが多いので、その歌詞はなにを言っていることなんだろうっていうのを自分の中で紐解きながら連想ゲームみたいにほかの部分も作り上げていくことが多いです。

じゃあ本当にサビの歌メロですべてが決まるんですね。

そうですね。

歌詞を作るのは難しくありませんか?

そうですね。むずかしいですね。一番時間がかかるところではあります。

歌詞は連想ゲームみたいにつくられるということですが、詳しくおしえてください。

いきなり全部書いていくっていうよりも、僕はメロディーが先なので、このメロディーには絶対このフレーズを入れたいっていうのはあって。要所要所、穴埋め問題みたいにフレーズがあって、それをつなげるためにはどういうものを入れようっていうので組み立てていくのが多いです。

じゃあ音重視なんですね。

音重視ですね。だから、聴きやすい、わかりやすい曲になっているのかなと思うんですけど。歌詞は穴埋め問題みたいな感じです。

頻繁に新しい曲を公開していらっしゃいますが、一曲どれぐらいでいつも仕上げていますか?

まちまちなんですけど、だいたい何曲か並行して作っていることが多いです。曲作りに専念しているときで、多い時だと2ヶ月で5~6曲作るときもあれば、平均すると1ヶ月に2曲ぐらいだと思います。そんなに詰め込まないようにはしてます。

1ヶ月に2曲も結構すごいと思うんですが。

あまり納期に追われて制作していってるとダメになっちゃう気がして、そうならないようになるべく余裕をもって依頼をお受けするようにしています。

依頼された楽曲の制作とご自分の制作の割合はどれくらいですか?

今はちょっと依頼はお受けしないようにしている時期なのですが(2015年7月現在)、でも、どんなにたくさん依頼をお受けしているときでも、1曲くらいは自分の好きな曲が作れるように余裕を開けている感じはあります。

行き詰まっちゃうからですか?

そうですね。すべてが仕事ばっかりになってしまうと嫌になってしまうタイミングがくるかなと思って。

■知りたい!40mPさん独特のボカロ調教のひみつ。

ボカロの調教もご自分でされていますが、自分のカラーを出すためにしていることはありますか?

そんなに特殊なことはやっていないと思うんですけれども。なんだろうなあ…。

40mさんの調教だなー、って、聴いていてなんとなく思うことがあって。

そんなに意識してやっていることはないと思います。ほんと基本的なことしかやってないですし。逆になにもやってないのが、今どきだと珍しいのかもしれないですね。パラメーターをまったくいじらないので。ピアノロールの中で全部完結している形です。

では、調教にはそれほど時間をかけていないと。

調教はそうですね。ピアノロールの中でどんなふうに聴こえるかっていうのを切り詰めていく感じです。パラメーターをいじって聴こえる声があまり好きじゃなくて。

逆にそれが特徴的に聴こえていたのかもしれないですね。

そうですね。

マルチな才能に隠れた意外な素顔とは…

■素顔は子煩悩なお父さん?プライベートについて。

音楽制作以外で、休みの日には何をしていますか?

今だともう完全に子どもとなにかしていますね。

お子さんは今お二人でしたっけ?

二人目が1才になりました。上の子は3才で。賑やかです。

お子さんが生まれて、作風に変化はありましたか?

子どもにむけた曲みたいなものはいくつかでてきました。「だんだん早くなる」はそうですね。「ドレミファロンド」もそうです。あれは完全に子どもが生まれたタイミングで作ったものです。

音楽制作以外でなにかはまっていることってありますか?

はまっていることは…趣味がまったくなくってですね(笑)、曲作ってるか、子供と遊んでるかくらいで、ほんとなくって。

ストイックですね!

ストイックとかじゃなくって、ほんとマジで無趣味なんですよ。

えー!ちょっと意外でした。絵もお描きになりますよね。

絵も描くんですけど、でも趣味で描くっていうよりも…

曲のためにですか?

そうです。必要に駆られて描くっていう(笑)。動画をあげたいけれど、誰かにお願いする時間もあれだし、じゃあ自分で描いちゃおうかってやるほうが多いです。

40mPとイナメトオル。ハイブリッドな活動とこれからの展望。

■10年、20年先も音楽制作を続けていきたい。そのために何をしたらいいのか。

ボカロPになってよかったことはありますか?

よかったことしかないので(笑)。いま自分でも歌っていますが、実は自分で歌うことやピアノを弾くことは一度諦めていたことなんです。ボカロを通して、歌うチャンスを与えられたなあと最近思っています。

楽曲提供をする上で、この人に歌ってもらえたらうれしいな!という人はいますか?

うーん。自分が好きなアーティストは自分で曲を作って歌われるシンガーソングライターの方が多いので…。でも、先に挙げた影響を受けたアーティストの方が歌ってくれたらうれしいかもしれないですね。

シンガーソングライター「イナメトオル」としてと、ボカロP「40mP」として活動されていますが、今後はどのように活動していこうと考えていますか?

今自分で歌っているのは、この一年間はそれをひとまず頑張ってみたいと思っているので。まずそれをやってみて、振り返ってみて、ありかなしかみたいなことを一回反省したりして、じゃあ何をやっていこうかっていうことを考えながら並行してやっていくような感じです。

すごい漠然とした話になっちゃうんですけど、自分としてはもうずっと音楽制作を続けていきたいと思っているんですけども、10年後、20年後って考えた時にまだボカロPとしてやれてるかどうかってわからなくって。もちろん、ボーカロイドは好きだし、ボーカロイドの文化もすごい大好きなので、そこは続けていきたいんですけど、自分は音楽制作をすることが大好きなので、それを続けるためにいまは何をやって行けるだろうって思って活動しています。例えば「自分で歌うとかっていうのはどうかな?」というのでそれを始めてみたりとか、今まで楽曲を提供することもやってきましたが、これからも続けていくし。 やりたいと思ったことでやれることはなんでもやっていきたいなって思っています。

ご自分で歌われている動画も発表されていますね。ひとつ挙げるならどれを選びますか?

では『神様のおくりもの』を。自分が歌っているほかの作品は自分のボカロ曲のセルフカヴァーなんですが、これは自分が歌うためだけに作った曲なんです。

イナメトオル『神様の贈り物』

40mPさんが選ぶ、自分のおすすめ曲5曲

「曲が多いので難しいですね」と悩みながら選んでいただいた、おすすめ5曲。その理由とともにご紹介いたします!

「曲のメロディーと歌詞のテーマがカチッとはまった3曲」

『恋愛裁判』

最初に「恋愛裁判」ってフレーズが浮かんで。「恋愛裁判ってなんのことだろう?」って考えて、「男の人が浮気して、裁かれてる曲なんだろうな」っていうのを想像しながら作っていった曲です。ボカロってテーマ命みたいなところがありますが、想像したその通りの言葉がちゃんと降りてきて、メロディーもカチッとはまったっていうところで、自分的にも手ごたえのあった曲で、どこに出しても自分的には恥ずかしくないかなっていうぐらいの作品になったと思っています。

『シリョクケンサ』

最初に「指さしで教えてよ」っていうフレーズが浮かんで、「これどういうシーンだろう?でも視力検査だろうな」って。「じゃあ、恋愛と視力検査をからめたらどんな表現になっていくだろう」ってことを考えながら作り上げていった曲です。『シリョクケンサ』と『恋愛裁判』は、自分の中では好きなポイントがめちゃめちゃ似てます。

『キリトリセン』

これも「感情論で切り取った」っていうサビのフレーズから、“恋を切り捨てる”みたいなイメージで全体を作り上げた曲です。動画も自分で作っていて、動画の中に切り取り線を入れて、どんどん自分の身近なものを切り取っていくっていう内容になっています。自分の中でちゃんとイメージがあって、ちゃんとそこに落とし込めたかなっていうのがこの3曲です。

「アレンジもメロディも歌詞も、全部好きなものしか入っていない曲」

『春に一番近い街』

すごいさわやかで、僕が好きなゆずや、aikoなどに影響をうけたメロディーとアレンジと。 アレンジからメロディーから歌詞から、自分の好きなものしか入っていない曲です。 完全に自分らしいって、リスナーの方々も言ってくれるし、自分でもそう思っています。

「自分の曲作りをあえて崩すことに挑戦。それがみんなから受け入れられた曲」

『だんだん早くなる』

自分の中で「こうやって曲はつくるものだ」って確立してきた中で、あえてそれを崩してみようって思って作った曲です。僕はまったくネタみたいな曲はやったことがなかったんですけれども、すごい楽しく作れました。ひさしぶりに、絵も動画も一から十まで全部自分でやった曲なんですが、それがちゃんと受け入れられて、楽しんでもらえたってことが自信になったし、すごく嬉しかったです。

40mPさんよりVOCALOID SHOPをご覧のみなさんへメッセージをいただきました!

40mP プロフィール

主にVOCALOIDの初音ミク、Megpoidをボーカルに用いた楽曲を発表。 「トリノコシティ」、「からくりピエロ」、「キリトリセン」等の代表曲がある。 シンガーソングライターとしてはイナメトオル名義で活躍中。

40mP・イナメトオル 公式サイト
40mPさん

40mP feat.ギャラ子 / Warning! 各配信サイトにて配信中!

「Warning!」ジャケット画像

世界に向けた警笛!

柴咲コウのボーカロイド『galaco(ギャラ子)』を使用した ストレートなロック・チューン!オリジナル MV は、YouTube にて10万再生突破!!

※ニンテンドー3DS ソフト「大合奏!バンドブラザースP」有料コンテンツ VOCALOID “ギャラ子” 収録曲

40mPさんインタビュー(前編)もチェック!

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