2024.02.19
2023年12月25日に、VOCALOIDの最新バージョンとなるVOCALOID バージョン6.3(無償アップデート)をリリースいたしました。本記事では、バージョン6.3の概要と、アップデートにおける注意点などを解説しています。
※重要なご注意事項
バージョン6.3は出力音に変化のあるアップデートを含んでいるため、バージョン6.3未満で楽曲を制作中の場合は、アップデート後に出力音に変化が出る場合があります。もしダウングレードが必要になった場合は、本記事末尾をご参照ください。
VOCALOID 6.3の概要
標準搭載ボイスバンクが4種類増えて、10種類になりました
VOCALOID:AIトラックの機能強化と改善を行いました
操作性の改善と機能追加及び不具合修正を行いました
複数に分かれていたVOCALOID Authorizerが統合されました
VOCALOID 6.3の注意事項と入手方法
使用にあたっての注意事項
入手方法(VOCALOID Editorと標準搭載ボイスバンク)
入手方法(ヤマハ製別売りボイスバンク)
入手方法(ヤマハ製以外のサードパーティ製ボイスバンク)
VOCALOID Authorizerに関する注意事項
改善点の詳細
ダウングレードの方法
従来4種類であった標準搭載ボイスバンクが増えて、全部で10種類のボイスバンクが無償で使用できるようになりました。さらに表現の幅が広がります。
デモソングはこちらからご試聴ください。
VOCALOID:AIトラックの機能強化と改善が行われました。内容は以下の通りです。
お客様のフィードバックを元に操作性を改善。VOCALOID Editorがさらに使いやすくなりました。主な改善点は以下です。詳細は本記事下部をご確認ください。
従来はVOCALOID EditorとVOCALO CHANGER PLUGINで分かれていたVOCALOID Authorizer(専用認証ソフト)がひとつのソフトウェアに統合されました。VOCALOIDに関するライセンスの認証管理が容易になりました。
インストールしているボイスバンクのバージョンは、「メニュー>ヘルプ>ボイスバンクのバージョン」からご確認いただけます。
※バージョン表示はバージョン6.1以降の機能です。
VOCALOID Editorのバージョンは、起動後に上部「ヘルプ」メニューから「VOCALOID Editorについて...」を選択して表示されるポップアップウインドウで確認できます。
VOCALOID 6.3は無償アップデートです。
以下のリンクよりダウンロードページに移動し、MacまたはWindowsの「ダウンロード」を選択して下さい。
ダウンロードされるファイルはZip形式で圧縮されており、VOCALOID Editorとボイスバンク双方のソフトウェアが含まれています。
Zip圧縮形式のファイルを解凍し、指示に従ってVOCALOID Editorとボイスバンク双方のインストールを行ってください。インストール方法は以下の記事を参考にしてください。
なお、バージョン6.3で新たに追加されたボイスバンクについては、新たに認証作業が必要です。これらのボイスバンクの認証においては、VOCALOID6購入時に発行されたボイスバンク用のシリアルコードを使用します。
Webページの「購入履歴」から、ボイスバンクの項目にて「シリアルコード表示」を選択し、シリアルコードを確認してください。
符色、Po-uta、ZOLA Project 等のヤマハ製別売りボイスバンクについては、Webページの「購入履歴」から、当該のボイスバンクの項目にてダウンロードを行ってください。
ヤマハ製以外のボイスバンクのダウンロード方法については、販売元のWebサイトをご参照ください。
VOCALOID Editorバージョン6.3以降と、VOCALO CHANGER PLUGINの双方をインストールしている場合、2つのVOCALOID Authorizerソフトウェアがインストールされます。どちらも同じデータを参照して動作するため、どちらのソフトを起動して使用しても同じ結果となります。
VOCALOID Authorizerのバージョンは、画面上で右クリックすることで確認が可能です。
歌声合成エンジンとボイスバンクをアップデート、特にピッチの遷移を改善し、合成音品質が全体的に向上しました。
TAKE機能において、これまでの選択肢はTAKE1〜5でしたが、TAKE6〜10が加わりました。さらに様々な表現が可能となり、特に人数を増やしたい場合に有効です。
コントロールパラメーターエリアを用いて編集可能なパラメーターとして、Characterパラメーターが追加されました。これは旧バージョンにおいてGender Factorと呼ばれていたパラメーターです。同じボイスバンクで様々な声色を出すことができるようになり、表現の幅が広がります。
Expressionパラメーターがコントロールパラメーターエリアでも編集可能になりました。
コントロールパラメーターエリアのExpressionはExpressionツールで操作・編集しているパラメーターと同じで、双方の合算値が採用されます。コントロールパラメーターエリアのExpressionはパート全体を一括操作するような使い方ができ、Expressionツールではひとつのノートの中での変化を入力できます。
ビブラートツールのパラメーターに「前方深さ」「後方深さ」が追加されました。音の終端に向かってビブラートが大きくなるような表現をすることができます。
指定範囲を削除するだけでなく、切り詰めることが可能になりました。マーカーで範囲指定した後に、編集メニューから「範囲を切り詰めて削除」を選択して実行します。
選択したノートをグリッドにあわせる「クオンタイズ機能」が追加されました。一般的なDAWに搭載されるクオンタイズと同様に、タイミングのずれているデータを一括で修正することができます。
また、「クオンタイズ50%」を選択した場合は、現在位置とグリッドの中間点に移動します。通常のクオンタイズでタイミングのずれによる微妙なニュアンスが失われる場合に有効な機能です。
どちらのクオンタイズも、対象のノートを選択した状態で右クリックすることで表示されるメニューから使うことができます。
指定した位置に対して0.5秒前から再生する「プリロール再生機能」が追加されました。サシスセソ等の音では、音本体よりも前に歯擦音が入りますが、これらが正しく再生されるようになります。
上部メニューの設定>環境設定>ソングポジションから「プリロール再生」を選択することで有効になります。
もしダウングレードが必要になった場合は、以下のリンク先をご参照ください。