2025.06.11

ボイスバンクが増えてさらに便利に VOCALOID 6.6の概要と注意点

2025年6月11日に、VOCALOIDの最新バージョンとなるVOCALOID バージョン6.6(無償アップデート)をリリースいたしました。本記事では、バージョン6.6の概要を解説しています。

※バージョン6.4未満からバージョン6.6にアップデートする場合の重要なご注意事項
バージョン6.4は出力音に変化のあるアップデートを含んでいるため、バージョン6.4未満で楽曲を制作中の場合は、アップデート後に出力音に変化が出る場合があります。もしダウングレードが必要になった場合は、本記事末尾をご参照ください。

目次

VOCALOID 6.6の改善点
 標準搭載ボイスバンクが2種類増えて、18種類になりました
 VOCALOIDトラックにおいて、鉛筆ツールでピッチカーブを描けるようになりました
 書き出し可能な音声フォーマットが増えました
 操作性の改善と機能追加を行いました
VOCALOID 6.6の注意事項と入手方法
 使用にあたっての注意事項
 入手方法(VOCALOID Editorと標準付属ボイスバンク)
ダウングレードの方法

VOCALOID 6.6の改善点

バージョン6.6では、VOCALOID:AIトラックの機能がVOCALOIDトラックでも使えるようになったほか、いくつかの改善が行われました。また、標準搭載ボイスバンクが追加されました。

標準搭載ボイスバンクが2種類増えて、18種類になりました

標準搭載ボイスバンクが2種類増えて、全部で18種類のボイスバンクが無償で使用できるようになりました。さらに表現の幅が広がります。

バージョン6.6で追加されたボイスバンク

バージョン6.6未満で使用できる無償ボイスバンク

VOCALOIDトラックにピッチ鉛筆ツールが追加され、自由なピッチカーブを描けるようになりました

VOCALOIDトラックピッチ鉛筆/ピッチ消しゴムツールが追加され、ピッチカーブを自由に書けるようになりました。任意のピッチカーブを作ることができるため、多彩な表現を行うことができます。

ピッチ鉛筆ツールによるピッチカーブ描画は、バージョン6.5VOCALOID:AIトラックに追加された機能です。好評であったため、VOCALOIDトラックでも使用できるように改善しました。

ピッチ鉛筆ツールで自由にピッチカーブを描ける
ピッチ鉛筆ツールはVOCALOID:AIトラックでも使用可能

書き出し可能な音声フォーマットが増えました

オーディオミックスダウン機能で書き出すことができる音声フォーマットが増えました。様々なDAW、様々な用途に対応することができるようになりました。

なお、メイントラック書き出しマルチトラック書き出し、どちらの方法でも同じ音声フォーマットに対応しています。(マルチトラック書き出し時のみ、Stereo/Monoの選択が可能です)

対応フォーマット
ビット深度:16bit, 24bit
サンプリング周波数:44.1kHz, 48kHz, 96kHz, 192kHz

対応フォーマットが追加されました

操作性が改善され、いくつかの機能が追加されました

スタイルプリセットの並び順が変更されました

MUSICAL EDITORスタイルプリセットの並び順が変更され、「No Effect」が最上位になりました

「No Effect」はエフェクトの設定を含まないプリセットであるため、音色変化を必要としない場合に多用されるプリセットです。最上位となったことで、素早く「No Effect」が選択できるようになりました。

No Effectプリセットが最上位になりました

ノートの試聴ON/OFFボタンが追加されました

MUSICAL EDITOR試聴ON/OFFボタンが追加されました

これまではノート選択時に必ず音が出力されていましたが、試聴ON/OFFボタンをOFFに設定することで、試聴音が出力されなくなります。試聴音がわずらわしいと感じる場合、OFFにしてご使用ください。

試聴ON/OFFボタンが追加されました

オートメーションレーン:PANPOTの表示を修正しました

トラックのオートメーションレーンPANPOTの表示について、左が上、右が下となるよう修正しました

従来は右が上、左が下でしたが、Steinberg Cubase等一般的なDAWと同じ表示方法になりました。

従来は右が上、左が下でしたが、Steinberg Cubase等一般的なDAWと同じ表示方法になりました。

リピート再生時の再生開始位置が変更できるようになりました

トランスポートメニューが改善され、リピート再生時再生開始位置が選択できるようになりました

トランスポート>スタートモード
・ソングポジションから開始
・リピート区間の先頭から開始

リピート再生動作が改善されました

メインチューニングのリセットボタンが追加されました

バージョン6.5で追加されたメインチューニング機能について、メインチューニングを440Hzに戻すリセットボタンが追加されました

リセットボタンが追加されました。

自動バックアップ機能が追加されました

パソコンが強制終了してしまった場合などの異常終了時に、VOCALOID6 Editor編集中だったデータをできる限り復旧できることを目的とした、自動バックアップ機能が追加されました

有効にすると、バックアップファイルが15分に1回、自動的に作成されます。バックアップファイルは復元専用なので、直接開くことはできません。バックアップファイルの使用が必要な場合、自動的に使用されます。

「バックアップファイルが見つかりました?バックアップファイルから復元しますか?」
というダイアログが表示されましたら「はい」を選択してください。

自動バックアップ機能は、設定メニュー>環境設定>一般タブより有効にすることができます。

※バックアップファイルの作成は15分に一度であるため、直前の操作は復旧できない場合があります。

自動バックアップ機能が追加されました

VOCALOID 6.6の注意事項と入手方法

使用にあたっての注意事項

インストールしているボイスバンクのバージョンは、「メニュー>ヘルプ>ボイスバンクのバージョン」からご確認いただけます。

※バージョン表示はバージョン6.1以降の機能です。

VOCALOID Editorのバージョンは、起動後に上部「ヘルプ」メニューから「VOCALOID Editorについて...」を選択して表示されるポップアップウインドウで確認できます。

ヘルプ>VOCALOID Editorについて…でバージョンを確認する
ボイスバンクのバージョンを確認する

入手方法(VOCALOID Editorと標準付属ボイスバンク)

VOCALOID 6.6は無償アップデートです。

以下のリンクよりダウンロードページに移動し、MacまたはWindows「ダウンロード」を選択して下さい。

ダウンロードされるファイルはZip形式で圧縮されており、VOCALOID Editorボイスバンク双方のソフトウェア(フルインストーラー)が含まれています。

Zip圧縮形式のファイルを解凍し、指示に従ってVOCALOID Editorをインストールしてください。ボイスバンクのバージョンが6.3未満の場合は、ボイスバンクもインストールしてください。インストール方法は以下の記事を参考にしてください。

ボイスバンクの認証が必要になる場合は、VOCALOID6購入時に発行されたボイスバンク用のシリアルコードを使用します。Webページの「購入履歴」から、ボイスバンクの項目にて「シリアルコード表示」を選択し、シリアルコードを確認してください。

ダウングレードの方法

もしダウングレードが必要になった場合は、以下のリンク先をご参照ください。